2023年10月

9月               12月

10月8日(日)

午後2時から、びわ湖ホール中ホールで、びわ湖ホール オペラへの招待 モーツァルト作曲「フィガロの結婚」を観る。指揮はびわ湖ホール芸術監督の阪哲朗。演奏は日本センチュリー交響楽団。演出は松本重孝。合唱はびわ湖ホール声楽アンサンブル。出演は、平欣史(たいら・よしふみ。伯爵)、森谷真理(伯爵夫人)、熊谷綾乃(スザンナ)、内山建人(フィガロ)、山際きみ佳(ケルビーノ)、藤井知佳子(マルチェリーナ)、萩原寛明(バルトロ)、谷口耕平(バジリオ)、福西仁(ふくにし・じん。ドン・クルツィオ)、脇阪法子(バルバリーナ)、大野光星(アントニオ)、高田瑞希・小林あすき(花娘)。

今日は大津祭の影響で、びわ湖浜大津駅が使えず、山科からJRに乗り換えて、大津駅から徒歩でびわ湖ホールに向かう。

新型コロナウィルスの影響で、演奏会形式などでのオペラ上演が続いていたびわ湖ホール。実に4年ぶりとなる制限なしでの上演となる。


ビゼーの「カルメン」と並んで世界で最も有名なオペラ作品と言われるモーツァルトの「フィガロの結婚」。ボーマルシェのフィガロ3部作の第2作として書かれ、「セビリアの理髪師」の続編となる。「罪ある母」が第3作であるが、「罪ある母」をボーマルシェが書いた時には、モーツァルトはすでに亡くなっていた。
台本を担当したのは、当時のウィーンの宮廷詩人であったロレンツォ・ダ・ポンテで、ダ・ポンテとモーツァルトは、「ドン・ジョヴァンニ」、「コジ・ファン・トゥッテ」でも組み、ダ・ポンテ3部作と呼ばれている。モーツァルトは100本以上の台本を読んで、その中から「フィガロの結婚」を見出し、ダ・ポンテにオペラ台本化を頼んだと言われる。
フィガロが主人公となる前作の「セビリアの理髪師」は、後にロッシーニがオペラ化して有名だが、当時の理髪師は外科医なども掛け持ちする何でも屋であるが、被差別階級であり、ホームレスであった人も多い。そんな低い身分であったフィガロが、アルマヴィーヴァ伯爵とロジーナとの愛の架け橋役となったことから、伯爵邸に部屋を与えられ、使用人頭に取り立てられたところから話は始まる。フィガロは小間使いのスザンナと婚約しているが、スザンナは伯爵が初夜権の復活を目論み、二人の部屋を伯爵の部屋のすぐそばに置いたのも、フィガロが留守の間に自分をすぐに襲えるからだと見抜いていた。フィガロはショックを受け、伯爵を懲らしめるため、スザンナと伯爵夫人となったロジーナと策を練るが、混乱したフィガロの作戦はことごとく上手くいかない。これが、原題「ラ・フォル・ジュルネ(狂乱の日)、あるいはフィガロの結婚」というオペラタイトルの由来である。名アリアがいくつもあり、ケルビーノ(少年だがメゾ・ソプラノの女性が歌う。いわゆるズボン役)のアリア「恋とはどんなものかしら」、フィガロのアリア「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」などは特に有名で、両曲ともカラオケに入っていたりする。ドン・バジリオの歌う「コジ・ファン・トゥッテ」はそのままダ・ポンテとの次回作のタイトルとなった。


指揮とフォルテピアノを担当する阪哲朗。ピリオドを援用した生き生きとした音像をセンチュリー響から引き出す。
びわ湖ホールのある大津に居を定めた阪。モーツァルトの音楽にも適性があり、今後の展開に期待が持てる。

松本重孝の演出はオーソドックスで、抑制された存在である女性像も的確に示している。

注目のソプラノである森谷真理演じる伯爵夫人の貫禄ある歌声、スザンナを演じた熊谷綾乃の可憐さも印象的であった。